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本来ならば八丈町全員参加が前提なのですが、残念ながら今のところ、実現できておりません。
つまり、参加・不参加の店が混在して、「離島でなければできないデポジット」ではなくなったというわけです。
しかし、このような状況の中で八丈島がデポジットをすすめていくために探っていくさまざまな方策はきっと、
「離島でなくてもできるデポジット」のヒントを生み出すもとになるのではないかと思っております。
八丈町議会は、国に対して「デポジット法の制定を求める意見書」を提出しました。
多くの自治体や地方議会からも、全国法制化を求める意見書が出されています。
環境庁長官の諮問を受け、国レベルの「廃棄物に係わる環境負荷低減対策のあり方」の動きが報じられています。
どのくらいデポジット制度が積極的に検討されるのか不明ですが、この機運をけっして逃すべきではないと思っております。
今、自治体は日々増え続けるごみの後始末に追われています。
ごみを生み出さない新しいシステムが築かれないかぎり、ごみは後から後から作り続けられるでしょう。
自治体の分別収集はもちろん重要ですが、一方で分別収集の限界も浮き彫りになってきているのではないでしょうか。
ごみゼロ社会を実現するための極めて有効な手段であるデポジット制度が、一日も早く法制化されることを願って、八丈島は頑張っています。
「八丈島のゴミと環境を考える会」が誕生した経緯をここで少し述べてみます。
八丈町デポジットは、東京都の提案を町が受け入れることから導入が決まりました。
97年秋、町が示した実施計画に対して、当初、小売商店からの異論は出ませんでしたが、98年になって一部の商店を中心とした反対運動が活発化し、
全員参加を前提にした町の計画は見直しを余儀なくされました。
そんな状態の中で98年3月、デポジットを住民の立場で積極的に受け止め、これを後押ししていくために、私たちは「八丈島のゴミと環境を考える会」(略称=ごみかん)という
住民組織を立ち上げました。
町がデポジットに取り組めば必然的に環境対策が進展し、日本全体のゴミ問題解決にもつながると考え、是非これを成功させたいと思ったのです。
「ごみかん」が98年3月に結成されてからの主な活動を簡単に紹介しておきましょう。
デポジットの意義を訴えるために「Q&A」の折り込み配布や、6月にはデポジットの全国化を国に求める意見書の提出を町議会に請願しています。
この請願は採択され、町議会は国に意見書を提出しました。
7月には、シンポジウム、「今なぜ八丈でデポジット」を開催、夏祭りで地域限定のデポジット実験を試みています。
10月には、町がノンシールの方式から、シール貼付の方式に転換したのを受けて、商店のデポシール貼りを手伝う団体「シール貼り応援隊」を組織して、商店の支援を開始します。
また、11月には、インターネットにホームページが開設されました。
「デポジット事業者の会」の設立を推進し、99年1月には、「ラッキーデポジット」の運営がはじまります。
99年3月までに「ごみかんニュース第3号」が発行されています。
これらの活動を担う主要メンバー(7〜9名)は毎週欠かさず話し合いの場を持っています。
私は夜型人間だから深夜に及ぶ会議も苦になりませんが、早寝早起きの農業経営者などは大変です。
しかし「私たちが八丈町デポジットを引っ張っている」と思いでがんばっているのです。
八丈町デポジットにはまだ島内の約半数の商店が参加していません。
参加店の大半はスムースに運営していますし、徐々に参加店が増えていますが、全店参加への道筋はまだ見えません。
町のゴミ処理の統計から推定して、実際にデポジットできている容器は全体の約30%というのが実態のようです。
スーパーの「八丈ストア」は当初から回収のためのデポジットボックスを建設し、店員教育を徹底して積極的に参加しています。
またコンビニの「花月堂」は、デポジットシール印刷済みの「あしたば缶茶」を製造・販売しました。
参加したほとんどの商屈が、「はじめは不安だったが、やってみるとそれほどの負担はないと言っています。
「強いて負担を上げればマスコミ取材が多くなったこと」だそうです。
参加していない商広は、その理由にシール貼りや回収、保管などの負担をあげています。
たしかに負担は小さくはないと思いますし、実際やって見るまでは不安が大きいことはわかります。
しかし参加脂はそれをクリアできていることも事実なのです。
むしろデポジットの10円を上乗せすることによる販売量の低下こそが商店にとっての問題ではないでしょうか。
容器を返せば返金されるとは言え、その手聞を惜しむ消費者が買わなくなることが怖いのです。
実際いやがるお客を説得できず、デポジットを続けられなくなった商店もあります。
儲かるどころか売り上げ減の恐れがあるのでは、わざわざ労力をかけてまでやれないというのが商店の本音でしょう。
ですから、デポジットを進めていく鍵は、デポジット商品を受け入れる環境を作ることにあります。
私たちが進める「シール貼り応援隊」や「ラッキーデポジット」も、最大のねらいはデポジットを支持する消費者層の拡大です。
これが今後も「ごみかん」の任務としてますます重要になっていくでしょう。
「ラッキーデポジット」というのは、デポジットを楽しく夢のあるものにし、お店の繁盛、地域の活性化につなげようという企画で「デポジット事業者の会」を運営しています。
それは次のしくみでおこなわれています。
・デポジット容器を10本まとめて返した消費者に抽選券を発行する。
・自動回収機に返すばあいも、10分のlの確率で特別のコインが当たり、抽選券と交換できる。
・毎月、抽選会をおこない、当選者には回収店を通じて賞品をわたす。
・これまで航空会社や海運会社、ホテルなど多くの事業者の協賛で、5割引航空券、無料乗船券、ホテル宿泊券、図書券、商品券、
ガソリン券、カラオケ割引券、椎茸ほだ木、たくあん、あしたばなどが提供されている。
ラッキーデポジットの運営は「事業者の会」がおこない、「ごみかん」が援助していますが、町当局は関与していません。
ラッキーデポジットは、今やすっかり島民の支持を獲得し、ラッキーデポジットによる回収が約40%にもなっています。
消費者が10本まとめて返却することで、|回収店の負担がかなり軽減され、さらに、空き容器を一定期間家庭においておくようになったことで、
容器を水ですすぐ習慣が根付き、回収日に汚れたものが持ち込まれなくなってきています。
早稲田のまちづくり運動リーダーのY氏は「行政主導・住民参加」を逆転させた「住民主導・行政参加」が理組と述べていますが、八丈町デポジットもその通りになっています。
事務処理は町がやっていますが、商店や消費者への普及活動は「ごみかんである事業者の会」の主導です。
これは民間の責任でおこなうデポジット本来の形態を擬似的に実現したものであり、リサイクルの責任を行政から民間に移行させるという、
デポジットの重大な意義に沿ったものになっているのです。
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